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第11回 財政再計算について(5)〈年金の給付費等〉(KKR平成16年 3月号掲載)

「私たちの共済年金」(KKR平成16年 3月号掲載)より

今回は、年金の給付に要する費用、基礎年金拠出金および年金保険者拠出金(以下「給付費等」という)がどのような負担によって賄われているかを紹介します。

1.年金の給付費等

国共済年金には、〔1〕組合員が定年や自己都合などによって退職し、支給開始年齢に到達した場合に支給される退職共済年金、〔2〕組合員が病気、負傷によって障害状態になった場合に支給される障害共済年金および〔3〕組合員や年金受給権者が死亡した場合に、その遺族に支給される遺族共済年金の給付費があります。

また、昭和60年の年金制度の改正により、61年4月から全国民に共通の基礎年金制度が導入され、国共済年金の組合員およびその被扶養配偶者(20歳から59歳までの者)は、国民年金にも同時に加入することになっています。基礎年金の給付費は国民年金の被保険者全体で公平に負担するという考え方から、各公的年金制度が、それぞれ毎年度、被保険者の総数に占める割合に応じた額を基礎年金拠出金として負担しています。

このほか、年金の給付費等には、平成9年4月1日にJR・JT・NTT共済組合が厚生年金に統合されたことによって、JR・JT共済組合の統合前の期間に係る物価スライドなどによる費用を、平成9年度から被用者年金各制度が公平に財政支援するための年金保険者拠出金が含まれています。

2.費用の負担区分

図は、これらの年金の給付費等がどのような負担区分によって賄われているかを見たものです。

費用の負担区分

Aの部分
国共済年金は、昭和34年10月(非現業の雇傭人は昭和34年1月)に恩給などの制度を引き継いで発足しています。
昭和34年10月前の期間に係る給付費は、「追加費用」として事業主(国など)が全額負担しています。

Bの部分
公経済負担は、国が基礎年金の給付費の一定の割合を負担するもので、現行では、基礎年金拠出金の3分の1を負担しています。なお、残りの3分の2は保険料によって賄われています

Cの部分
昭和61年に年金制度が改正されるまでは、34年10月以後の期間に係る国共済年金の給付費の15.85%を公経済負担として国が負担していました。この制度改正により、国民年金制度が発足した36年4月以降の期間に係る基礎年金拠出金の3分の1を公経済負担とすることに整理されました。
これに伴い、36年4月前の期間に係る給付費の15.85%は、経過的な公経済負担として国が負担しています。

Dの部分
年金の給付費等のうち保険料により賄われる部分で、これを組合員と事業主でそれぞれ半分ずつ負担することになります。