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第8回 財政再計算について(2)〈給付費の推計方法〉(KKR平成15年12月号掲載)

「私たちの共済年金」(KKR平成15年 12月号掲載)より

1.給付費の推計方法

前号で、財政再計算の目的は、「少なくとも5年ごとに算定基礎を見直し、将来、支出する年金の給付費と保険料などが見合うように計算し直し年金財政の長期的な安定を図ることにある」と紹介しました。

今回からは、将来、支出する年金の給付費や給付に必要な保険料の基礎となる標準報酬などを、どのように推計し、保険料率を求めているかを数回にわたり紹介します。

2.将来推計

将来推計を行うためには、まず、組合員および年金受給権者の実績をもとに作成した基礎数と、組合員数、年金受給権者数等が年々どのように変化していくかを推計するために使用する基礎率が必要になります。

これらの基礎数や基礎率の見直しは、毎年度実施している組合員の動態統計調査や年金受給権者の統計資料を基に行います。平成16年に予定されている財政再計算では、12年度から14年度までのこれらの統計資料などを使用します。(参考1参照)

3.基礎数

組合員に係る基礎数は、組合員の状況を男女別、年齢別および組合員期間別に区分した組合員数、標準報酬月額などです。これらは、年度別に将来の標準報酬月額や退職した時の年金額を計算するために必要となるものです。

また、年金受給権者に係る基礎数は、年金受給権者の状況を男女別、退職・障害・遺族等の年金種類別および年齢別に区分した年金受給権者数、年金額などです。これらは、年度別に将来の年金受給権者数や年金額を計算するために必要となるものです。(参考2参照)

4.基礎率

基礎率には、組合員数や年金受給権者数が年々どのように変化していくかを推計するためのものや、組合員の標準報酬月額等が年齢に応じてどのように変化していくかを推計するためのもの、また、将来、国共済年金へ新たに加入してくる人がどのような年齢構成となっているかを表わしたものなどがあります。

具体的には、総脱退率、退職共済年金失権率、有遺族率などです。(参考3参照)

参 考1:将来の給付費の推計方法(概要)

将来の給付費の推計方法(概要)

参 考2:基礎数

【組合員に係るもの】  
組合員数 標準期末手当等
組合員期間内訳 全期間平均標準報酬月額
標準報酬月額  
※それぞれ男女別、年齢別、組合員期間別に作成
【年金受給権者に係るもの】
年金受給権者数 年金額
組合員期間内訳 全期間平均標準報酬月額
標準報酬月額  
※それぞれ男女別、年金種類別、年齢別に作成

参 考3:基礎率

総脱退率 (退職、死亡、障害等で組合員から脱退する割合) 将来加入者の加入割合
公務上死亡率 将来加入者の標準報酬月額
公務上死亡率 標準報酬指数 (標準報酬の上昇割合を年齢別に指数化)
公務上障害共済年金発生率 退職共済(退職)年金失権率
公務外障害共済年金発生率 障害共済(障害)年金失権率
障害一時金発生率 遺族共済(遺族)年金失権率
組合員(受給権者)と配偶者の年齢差 有遺族率 (遺族共済年金の受給資格者の割合)
※各基礎率は、男女別、年齢別に作成