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制度概要
老齢厚生年金などの公的年金は、所得税法上「雑所得」として、年金の支払の際に所得税が源泉徴収されることになっています。
ただし、平成27年10月以降の共済組合員期間を対象とした「退職等年金給付」の退職年金を受けられる方が、有期退職年金を「一時金」で受給することを選択したときは、「退職所得」として課税の対象となります。
その年中に受ける老齢厚生年金等の支給額が一定額以上の場合、年金の決定を受けようとするときに「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下「扶養親族等申告書」といいます)を連合会に提出すると、年金の支給額から所得控除(受給者本人の基礎的控除、配偶者控除、扶養控除など)を受けることができます。
年金決定後は、源泉徴収の対象となる方へ、毎年10月上旬に連合会より翌年分の「扶養親族等申告書」を送付します。「扶養親族等申告書」を連合会に提出する場合の提出期限は、10月末日です。
なお、国家公務員を退職後、民間会社などに再就職し、その給与等の支払者に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し、連合会にも「扶養親族等申告書」を提出したときは、給与等と年金のそれぞれから重複して所得控除を受けることになり、確定申告の際に所得税を追加徴収されることがあります。
こうした所得控除の重複による追加徴収を避けたい方は、連合会に「扶養親族等申告書」を提出する必要はありません。
源泉徴収の対象となる年金は、その年中に受ける支給額が、65歳未満の方については108万円以上、65歳以上の方については158万円(老齢基礎年金を受けるときは80万円)以上のときです。
各定期支給期月の源泉徴収税額は、次の計算式により求めます。
◎源泉徴収税額の計算
源泉徴収税額=(定期支給期月の支給金額-控除額※)× 5.105%(復興特別所得税を含む)
※控除額の計算
控除額=(基礎的控除額+人的控除額)× その支払の計算の基礎となった期間の月数
(注)
次の受給者の区分に応じた控除額となります。
受給者の区分 | 基礎的控除額 |
---|---|
65歳未満の方 | 定期支給期月の支給金額の月割額×25/100+65,000円 (計算した金額が90,000円未満のときは 90,000円) |
65歳以上の方 | 定期支給期月の支給金額の月割額×25/100+65,000円 (計算した金額が135,000円未満のときは135,000円) |
(注)「月割額」は、年金額を12で除して得た額で、その額が4の整数倍でないときは、4の整数倍に切り上げます。
次の1~5欄により求めた金額の合計額となります。
区分 | 内容 | 人的控除額 |
---|---|---|
受給者本人に係るもの | 1. 障害者 特別障害者 |
22,500円 35,000円 |
2. 一般の寡婦 特別の寡婦 寡夫 |
22,500円 30,000円 22,500円 |
|
控除対象配偶者および 扶養親族に係るもの |
3. 控除対象配偶者 老人控除対象配偶者(70歳以上) |
32,500円 40,000円 |
4. 控除対象扶養親族 特定扶養親族 老人扶養親族(70歳以上) |
1人につき 32,500円 〃 52,500円 〃 40,000円 |
|
5. 3、4および16歳未満の扶養親族の方が 障害者 特別障害者 同居特別障害者 |
1人につき 22,500円 〃 35,000円 〃 62,500円 |
(注)
(16歳未満の扶養親族の者について)
所得税法の改正により、平成23年分から16歳未満の扶養親族の者に対する扶養控除は廃止となりました。ただし、その扶養親族の者が障害の状態にあるとき、障害の程度と受給者との同居の有無に応じて、障害者・特別障害者および同居特別障害者の控除を受けることができます。
◎源泉徴収税額の計算
源泉徴収税額=(定期支給期月の支給金額-控除額※)× 10.21 %(復興特別所得税を含む)
※控除額の計算
控除額=定期支給期月の支給金額 × 25 %
老齢厚生年金などの公的年金は、所得税法上「雑所得」として、年金支給の際に所得税の源泉徴収を行いますので、給与所得のように「年末調整」による税額の精算を行いません。
老齢厚生年金のほかに給与所得等がある場合には、年金と給与所得等からのそれぞれの徴収税額を合算した「合計税額」と、年金と給与所得等とを合算した所得の総額に対する「年税額」との過不足額を確定申告で精算することになります。
また、その年の所得が年金だけの場合でも、雑損控除、医療費控除、生命保険料控除、損害保険料控除、住宅取得等特別控除などを受けられるときは、確定申告で精算することになります。
なお、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等以外の所得金額が20万円以下となる場合は、確定申告書の提出は、原則として不要です。
有期退職一時金は、所得税法上の「退職所得とみなされる一時金」として扱われ、他の所得と分離して課税することとされています。
有期退職一時金の税額は、「退職した年の所得」として、国家公務員の退職時に受けた退職手当等の額と有期退職一時金の合計額の税額から、退職手当等について源泉徴収された税額を控除して求めます。
この退職所得控除を受けるためには、有期退職一時金の請求時に国家公務員の退職時の「退職所得の源泉徴収票」および「退職所得申告書」を提出していただく必要があります。
なお、「退職所得の源泉徴収票」等の提出がない場合は、有期退職一時金の支払額の20.42%に相当する額が源泉徴収されます。
退職所得の税額計算は、
(課税退職所得金額 × 所得税率 - 控除額) × 102.1% = 税額
となります。
詳しくは、国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/(外部サイト)をご覧ください。