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生理部門
生理検査(循環器・呼吸器系)では、循環器系、呼吸器系の検査を行っています。予約制ではなく、ホルター心電図以外は検査当日に結果報告が可能となっています。検査技師が全ての検査に従事しています。
年間検査件数
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
心電図 | 18,827 | 18,766 | 20,379 | 20,398 |
負荷心電図 | 1,144 | 985 | 720 | 548 |
ホルター心電図 | 197 | 189 | 176 | 166 |
ABI/PWV | 1,258 | 1,324 | 1,277 | 1,313 |
SPP | 121 | 84 | 82 | 62 |
簡易肺機能検査 | 1,618 | 1,418 | 1,498 | 1,519 |
終夜睡眠ポリグラフィー | 105 | 91 | 101 | 120 |
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
心エコー(経食道エコーを含む) | 5,251 | 5,026 | 4,579 | 4,572 |
血管エコー 頚動静脈 | 701 | 556 | 557 | 600 |
腎動静脈 | 46 | 48 | 41 | 36 |
腹部大動脈 | 4 | 8 | 12 | 28 |
上肢血管 | 110 | 100 | 52 | 86 |
下肢血管 | 514 | 583 | 777 | 849 |
バスキュラーアクセス | 43 | 46 | 35 | 27 |
心電図
心臓の電気的信号を波形で表すもので、心筋梗塞、心臓肥大、不整脈などを診断します。
負荷心電図
心臓に負荷をかけることによる心電図の変化を調べる検査で、狭心症の診断に有用です。
当院ではベルトの上を歩いたり、走ったりして行うトレッドミルと、自転車をこぐ要領で行うエルゴメーターの2種類の運動負荷を行っています。
ホルター心電図
体の3ヵ所に電極を付け、レコーダーを腰に付けて帰宅していただき24時間の心電図を記録する検査で、不整脈など普段の日常生活の心臓の状態を診ます。 また当院は近隣の医院からのホルター心電図の解析も行い、地域連携も行っています。
ABI・PWV検査
腕と足首の血圧を同時に測ることにより、手足の血管の硬さや、動脈硬化の程度を検査するもので、血管年齢などの測定も可能です。
SPP 検査
足の病変部にセンサーと血圧カフを装着し、血圧の変化と血液の流れを測定する検査でABI は比較的太い血管の血流を評価する指標ですが、SPPは皮膚の毛細血管レベルの血流を評価するために行う検査です。
スパイログラフィー(簡易肺機能検査)
肺機能検査の最も重要な検査で、肺活量、一秒量などを測定することにより、換気障害の種類、程度を判別することが可能です。
心臓カテーテル検査
心臓カテーテル検査(CAG)や冠動脈拡張術(PCI)などに循環器チームの一員として臨床工学技師と交代で携わり、心内圧の測定や心電図の判読を行っています。
カテーテルアブレーション
不整脈(主に頻脈性)の根治治療を行う際に、ポリグラフやスティムレーターの操作など治療のサポートをしています。
RI 検査 (心筋シンチグラフィ)
心筋シンチグラフィとは、静脈に放射性同位元素を注射し、放出される放射線を撮影して、心筋の血流やエネルギー代謝などをイメージングする検査です
医師、看護師、放射線技師と連携し、心電図や血圧の変化をモニタリングし検査をサポートしています。
心エコー
心臓超音波検査は、超音波診断装置を用いて、心臓の形や、心臓の筋肉の厚みや動き、心臓の弁の動きなどを検査するもので、心臓肥大・弁膜症・心筋梗塞・先天性心疾患などの心臓の病気を診断し、その重症度を判定することができます。
血管エコー
最近の血管系の病気の増加に伴い年々件数も増加しており、機械も高度化、精密化し血管診療には欠かすことの出来ない検査となっている。
当院では頸部、上肢、下肢、腹部等の動静脈の検査を行っている。
心肺運動負荷試験(CPX)
運動中の心臓と肺の能力を把握し、どの程度の運動が安全に行えるかを評価する検査です。
運動耐容能(体力)の評価、心機能の精査、息切れの精査にも役立ちます。
チーム医療の一員として心臓リハビリテーションにも参加しています。
心臓リハビリテーション
循環器疾患罹患患者さまの、健康維持や健康増進を促進し、再発を予防することにより快適で質の良い生活を維持することを目指して行うもので、検査技師も他職種のスタッフと協力しリハビリがスムーズに出来るようにサポートしています。
当院では、『コメディカルとして、無侵襲診断を中心に脈管領域の診療に従事するに必要な、専門知識・技術を持った者を専門家として認定する』という主旨のもと発足した【CVT認定機構】の認定資格を持った技師が、頚動脈・腎動、静脈・腹部大動脈・上肢動、静脈・下肢動、静脈などの検査を担当しており、当地域では最多の件数を誇っています。
当検査室では、腹部・体表臓器の超音波画像検査と、脳・神経系機能検査および耳鼻科検査を担当しています。技師は3人で、午前中は検診・外来患者さんの超音波検査や、神経伝導検査、耳鼻科検査に対応しています。また、午後からは入院患者さんの超音波検査や穿刺術、予約制の脳波検査その他をおこなっています。 (腹部・体表用の超音波診断装置は2台あります)
年間検査件数(2016年)
2016年 | 2017年 | |
腹部超音波検査 | 1,471件 | 1,450件 |
表在超音波検査 | 433件 | 388件 |
穿刺・術中 | 25件 | 35件 |
脳波検査 | 80件 | 78件 |
神経伝導検査 | 91件 | 74件 |
顔面神経検査 | 15件 | 74件 |
聴覚誘発電位 | 11件 | 12件 |
検診聴力 | 1.126件 | 1.121件 |
超音波検査
腹部領域
肝・胆・膵・腎の上腹部臓器のほか、消化管や虫垂、副腎なども対象にしています。
体表臓器
乳腺・甲状腺・上皮小体・その他軟部組織、皮膚科系疾患などが対象です。
近頃はピンク・リボン運動が広まったこともあり、乳癌検診の件数が増加しています。
これらの検査は2012年10月から予約制が導入されています。 (初診時で検査される場合は待ち時間が発生いたします) 検査時間は約20分です。
当検査室では原則的に女性患者さんの乳腺や下腹部領域の超音波検査には女性技師が担当するようにしております。
また当検査室では画像検査だけでなく、診療科との連携として次のものがあります。
超音波下穿刺術
安全・確実に穿刺するため超音波でガイドします。(肝・腎・体表臓器などの生検や各種のインターベンションに使用)
術中超音波検査
おもに肝切除術の際、その範囲の確認に使用しています。
検査技師はこれらにチームの一員として加わり、超音波装置の準備・設定と操作を担当しています。
脳・神経機能検査
脳波検査室を使用して検査をしています。
脳波検査
乳児や体動の激しい患者さんには睡眠剤投与下で検査しています。
てんかん発作波の確認など、脳機能の状態を調べます。(予約制です)
神経伝導検査
末梢神経(運動神経・知覚神経)の機能を検査します。
手足にしびれや脱力のある患者さんが主な対象です。
筋電図検査
針電極を使用するため医師がおこないます。
筋疾患が疑われる場合、検査されます。
技師は筋電計の設定と操作・記録をおこなっています。(予約制です)
聴覚誘発電位(聴性脳幹反応)
他覚的聴力検査として、あるいは聴神経など聴覚伝導路の障害が疑われる患者さんが対象です。
乳児や体動の激しい患者さんには睡眠剤投与下で検査しています。(予約制です)
顔面神経(誘発筋電図)検査
顔面神経麻痺の検査です。
電気刺激で誘発された眼輪筋と口輪筋の電位を測定します。 (予約制です)
自律神経検査
起立性低血圧・失神などの症状がある場合、また糖尿病による自律神経障害の判定などで検査されます。
当院ではリハビリ室にあるティルト・テーブルを用いた起立血圧試験と心電計を利用したR-R間隔変動係数を検査しています。(プロタノール負荷起立血圧試験は医師が実施しています)
健診聴力検査
検診で来られた方の聴力は健康医学センターで検診用オージオメータを使用して検査しています。
睡眠ポリソムノグラフィ検査 (PSG)
睡眠時に呼吸停止または低呼吸を呈する睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)を調べる検査であります。
睡眠ポリグラフ検査(PSG)は、PSG検査装置を用い脳波、眼電図、頤筋電図による睡眠ステージ、口・鼻の気流、胸・腹部の呼吸運動による呼吸パターン、パルスオキシメーターによる経皮的動脈血酸素飽和度の測定を行い、睡眠時無呼吸症候群の診断に役立て、睡眠時無呼吸症候群と診断され、無呼吸低呼吸指数(AHI)が20回/時間以上の方に対し、持続陽圧呼吸療法(CPAP)機器を装着しPSG検査を行い、CPAP療法の効果や適正圧設定を行います。
当院検査室におきましては、PSG装着から睡眠ステージ呼吸パターンの解析を行うと伴に、CPAP導入から指導まで行っております。
耳鼻科外来で実施している検査の紹介
聴力検査(標準聴力・簡易聴力)
気導・骨導両方を測る標準聴力検査と、気導聴力のみ検査する簡易聴力検査です。
ティンパノメトリー
中耳伝音系の検査。鼓膜、耳小骨系の障害がないか調べます。
アブミ骨筋反射(耳小骨筋反射)
当院ではおもに顔面神経機能を調べるため検査しています。
重心動揺検査
静的体平衡機能検査として重心動揺計(X-Yレコーダー)を用いて検査しています。
立位で開眼時および閉眼時、各々1分間、体の揺れを測定します。
ABI・PWV検査とは?
ABI検査とPWV検査は、手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査を行うことにより動脈硬化(血管の老化など)の度合や早期血管障害を検出することができます。
ABI検査で何がわかるのか?
ABI検査(足関節上腕血圧比)は足首と上腕の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算したものです。
動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。
動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると、足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈に狭窄や閉塞があると、その部分の血圧は低下します。
こういった動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって狭窄や閉塞の程度がわかります。
PWV検査で何がわかるのか?
PWV検査(脈波伝播速度)は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。
腕と足の4箇所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど動脈硬化が進行していることを意味します。
ABI・PWV検査はどのように行うのか?
ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着します。ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化します。所要時間は5分程度です。(写真参照)
こんな方にお勧めです
40歳以上で、次のようなことにお気づきの方にお勧めします。
・高血圧 ・高血糖 ・脂質異常 ・肥満 ・喫煙 ・手足の冷感、しびれ、痛み
検査結果の見方
4ABIの測定値が0.9以下の場合、症状の有無にかかわらず動脈硬化が疑われます。
下肢の比較的太い動脈が慢性的に閉塞し、足が冷たく感じたり、歩くとお尻や太腿の外側などが痛む「閉塞性動脈硬化症(ASO)」が進行すると、足先が壊死してしまうこともあります。
下肢血管エコー検査などを行い、動脈壁の状態をさらに詳しく調べる必要があります。
年齢によってもやや異なりますが、PWVの測定値が13.5以上の場合は、動脈硬化が進行しており、くも膜下出血や、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなっていますので、高血圧の人は積極的な治療が必要となります。
舞鶴共済病院 検査科 生理検査室