退職(老齢)給付の在職支給停止

 退職共済年金(一元化後は、老齢厚生年金)を受給されている方が厚生年金の被保険者等(※1)となって、「賃金+年金」の月額が一定の金額(65歳未満の方は28万円、65歳以上の方は47万円(平成29年度からは46万円、以下同じ))を超えた場合、年金の一部または全部が支給停止となります。

 現在、退職共済年金を受給されている方の「賃金+年金」の月額により、退職共済年金の一部または全部が支給停止となる場合、退職共済年金を受給されている方が組合員であるか厚生年金の被保険者等であるかによって、その支給停止方法が異なっています(現在の支給停止方法はこちら)。

 一元化後においては、組合員についても厚生年金の被保険者となることから、平成27年10月分以降の退職共済年金についても、老齢厚生年金を受給されている方が厚生年金の被保険者等となった場合の支給停止方法に統一されることとなります。なお、停止方法が統一されるにあたり、別途、停止額の配慮措置が設けられる予定です。

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止

(1)65歳未満の場合

 基本月額(※2)と 総報酬月額相当額(※3)の合計額が28万円を超える場合に、下記に掲げる区分に応じた年金額の支給停止(以下「低在老方式」といいます)が行われます。

一元化後の退共年の在職支給停止(65歳未満の場合)の図

A. 総報酬月額相当額が47万円を超える場合の支給停止額
 ア 基本月額が28万円以下の場合
  (47万円 + 基本月額 - 28万円) ÷ 2 + (総報酬月額相当額 - 47万円)
 イ 基本月額が28万円を超える場合
  47万円 ÷ 2 + (総報酬月額相当額 - 47万円)

B. 総報酬月額相当額が47万円以下の場合の支給停止額
 ア 基本月額が28万円以下の場合
   (総報酬月額相当額 + 基本月額 - 28万円) ÷ 2
 イ 基本月額が28万円を超える場合
   総報酬月額相当額 ÷ 2

(2)65歳以上の場合

 基本月額と 総報酬月額相当額の合計額が47万円を超える場合に、下記に掲げる区分に応じた年金額の支給停止(以下「高在老方式」といいます)が行われます。なお、70歳以上の方については、厚生年金の被保険者ではありませんが、報酬を受け取っている場合には、調整の対象となります。

一元化後の退共年の在職支給停止(65歳以上の場合)の図

※1 「厚生年金保険の被保険者等」とは、次の方をいいます。
  a.厚生年金保険の被保険者および70歳以上で厚生年金保険の適用事業所に勤務している方
  b.国会議員および地方議会の議員
※2 「基本月額」とは、次の区分に応じて計算された年金の月額をいいます。
  a.退職共済年金の基本月額 = 年金額 - 職域加算額(※4) - 加給年金額(※5) - 経過的加算額(※6)
  b.老齢厚生年金の基本月額 = 年金額 - 加給年金額(※5) - 経過的加算額(※6)
※3 総報酬月額相当額 = (当月の標準報酬月額) + (当月以前1年間の標準賞与額等(※7)の合計) ÷ 12
※4 基本月額から差し引いた後の「職域加算額」の扱いについては、今後、政令により対応される予定です。
※5 「加給年金額」とは、被保険者期間が20年以上である退職共済年金や老齢厚生年金の受給権を有する方によって生計を維持されている65歳未満の配偶者や子がいるときに加算される金額をいいます。
※6 「経過的加算額」とは、老齢基礎年金の算定の基礎となる期間に含まれない組合員期間や被保険者期間(20歳前や60歳後の期間など)に係る定額部分相当として65歳以後の退職共済年金や老齢厚生年金の額に加算される金額をいいます。
※7 「標準賞与額等」には、厚生年金の標準賞与額のほか、国家公務員共済組合制度の標準期末手当等の額など厚生年金の標準賞与額に相当するものを含みます。

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一元化後における在職支給停止の適用関係

①第2号厚生年金被保険者(※8)または第3号厚生年金被保険者(※8)として加入中の場合
  65歳未満 低在老方式が適用(現行と同様)
  65歳以上 高在老方式が適用(現行の低在老方式から変更)
②第1号厚生年金被保険者(※8)または第4号厚生年金被保険者(※8)として加入中の場合
  65歳未満 低在老方式が適用(現行の高在老方式から変更)
  65歳以上 高在老方式が適用(現行と同様)

留意事項 

  • 2以上の老齢厚生年金を併給している場合の在職支給停止の計算方法については、低在老方式・高在老方式を適用する上で、各年金の基本月額を合算、按分する方法が用いられます。
  • 65歳未満である退職共済年金を受給されている方が、平成27年10月1日前から引き続き厚生年金または私学共済に加入している場合の同日以後の在職支給停止の計算方法については、高在老方式から低在老方式へ変更されることに伴い、支給停止額の配慮措置が設けられる予定です。
  • 改正後厚年法では障害厚生年金に対する在職支給停止制度は設けられていません。これに伴い、障害共済年金に対しても平成27年10月1日以後の在職支給停止は適用されないことになります(ただし、職域加算額の扱いについては、今後政令により対応される予定)。

在職支給停止の計算イメージ

(例)平成27年10月1日前から引き続き厚生年金被保険者で、特別支給の退職共済年金を受給(上記②「65歳未満」の場合)

在職支給停止の計算イメージの図

<条件>年金額(職域加算額を除く)120万円
基本月額=120万円/12=10万円 総報酬月額相当額=38万円
・H27.9までの支給停止額(職域加算額を除く)
  {(10万円+38万円)-47万円}×1/2=0.5万円
・H27.10からの支給停止額(職域加算額を除き、配慮措置を考慮していません)
  {(10万円+38万円)-28万円}×1/2=10万円

※8 「第2号厚生年金被保険者」とは「国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者」を、「第3号厚生年金被保険者」とは「地方公務員等共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者」を、「第4号厚生年金被保険者」とは「私立学校教職員共済制度の加入者たる厚生年金保険の被保険者」を、「第1号厚生年金被保険者」とはこれら以外の厚生年金被保険者をいいます(厚生年金保険法2条の5)。

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参考:現行における退職共済年金の支給停止

(1)退職共済年金を受給をされている方が組合員である場合

原則として、在職中である間は年金の支給が停止となりますが、在職中であっても、その方の総報酬月額相当額と年金額の合計額により、次の計算式により計算した年金額の一部が支給されます。

A.総報酬月額相当額(※9)+ 基本月額(※10) ≦ 28万円である場合
 支給額 = 在職中基本額(※11) ( + 加給年金額)
B.総報酬月額相当額 + 基本月額 > 28万円である場合
 基本月額 ≦ 28万円、かつ、
  ア.総報酬月額相当額 ≦ 47万円のとき
  支給額 = 在職中基本額 - {(総報酬月額相当額 + 基本月額 - 28万円) × 1/2} × 12(+加給年金額)
 イ.総報酬月額相当額 > 47万円のとき
  支給額 = 在職中基本額 - {(47万円 + 基本月額 - 28万円) × 1/2 +総報酬月額相当額 - 47万円} × 12 (+加給年金額)

支給額の早見表

注)この表は、1か月あたりの目安となる支給額を示しています。具体的な支給額は、個人ごとに異なってきます。

(2)退職共済年金を受給されている方が厚生年金の被保険者等である場合

退職共済年金や障害共済年金などの年金を受給されている方が、厚生年金保険の被保険者等である間は、ボーナス等も含む賃金に応じて、次の計算式に基づき年金の一部の支給が停止されます。

年金の支給停止年額 = {(基本月額 + 総収入月額相当額) - 47万円} × 1/2 × 12

※9 総報酬月額相当額 = 当月の標準報酬月額 + (当月以前1年間の標準期末手当等の額の総額 × 1/12)
 なお、厚生年金の被保険者等である場合の「標準期末手当等の額」については、当月以前1年間の厚生年金の被保険者等である間の賞与(ボーナス)などの標準賞与額など、他の制度における国家公務員共済組合制度の標準期末手当等の額に相当するものを含みます。
※10 基本月額 = (年金額 - 職域加算額 - 加給年金額) × 1/12
※11 在職中基本額 = (年金額 - 職域加算額 - 加給年金額)

年金の一部停止の早見表


注)「賃金の額」は、標準報酬月額+(過去1年間の標準賞与×1/12)の額です。
  「年金の月額」は、退職共済年金(職域加算額、経過的加算額(65歳以上の場合)および加給年金額を除いた額)×1/12の額です。
  上記で「全額停止」に該当する場合であっても、職域部分(3階部分)、経過的加算額および加給年金額は停止されません。

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